@article{oai:sojo-u.repo.nii.ac.jp:00000660, author = {小谷, 佳恵}, issue = {7}, journal = {崇城大学芸術学部研究紀要}, month = {}, note = {私の制作論では、自身の修了研究作品である油彩画《風光る》について、作品の素地となっている経験やそこから派生し自身に根付く観念などを明らかにし、整理することを目的とした。《風光る》は、人物のいる室内風景を描いたものであり、構成として特徴的なのは、室内に植物細胞のイメージが漂っている天である。制作論では、本作に描かれているふたつの主要なモチーフ、すなわち植物細胞を含む「微視的なもの」と、室内風景の中でも「カーテン」に注目して考察した。第1章では、本作を構成するモチーフのうち「微視的なもの」と「カーテン」に焦点を当て、それらがどのような意味性をもって私の作品にあらわれているのか、共通要素をもつ過去の作品と制作過程を辿りながら確認した。私がカーテンに特別なイメージを抱くきっかけとして、旧約聖書における幕屋の「隔ての幕」の象徴性があったことを挙げ、この「微視的なもの」と「カーテン」が、共にその意味性において「見える/見えない」ということに関わるものであることを指摘した。第2章では、前章で指摘した「見える/見えない」という視覚に関わる問題を取り上げた。まず1節では、そもそも視覚芸術に取り組む自分にとって視覚とはどういったものであるのかを、視覚そのものに注目して描いた過去の自画像を例に考察した。さらに、2節では本作の中の「見える/見えない」という要素について考察し、絵画における可視性と不可視性の関わりが私にとって重要であることを述べた。ところで、本制作論で論じた「隔て」・「見える/見えない」ということには、境界性という概念が含まれているように思われる。その最たる例といえるのが、絵画の内と外との間にある断絶である。そこで、続く第3章では、本作における「内と外」の関係性を考察した。考察にあたっては、私の外見的特徴を示さない人物像と、カーテンの緞帳の役割に着目することとした。これらの要素に付いて過去の作品と本作品の共通点と相違点とを挙げて比較したことによって、「内と外」という意識が、本作品においては細胞やカーテンに見られる透過性に結びついていることがわかった。}, pages = {149--150}, title = {《風光る》絵画の内と外について,その透過性をめぐって}, year = {2014} }