@article{oai:sojo-u.repo.nii.ac.jp:00001264, author = {中原, 将貴}, issue = {10}, journal = {崇城大学芸術学部研究紀要}, month = {}, note = {イギリスの The Art Newspaper 誌が発表した世界の展覧会動員数ランキングにおいて上位1位から4位までを日本で開催された展覧会が独占し、世界から大きな注目を集めた。一方、2007年に森ビルが発表した「国際都市アート意識調査―東京・NY・ロンドン・パリ・上海―」では世界の主要な5つの都市の中で東京に住む人の美術館への来館頻度は最下位であった。しかし、この調査はインターネットによって行われたものであり、回答者の多くは若年層であると推測される。2つの調査結果を比較すると、日本人は全体として美術館や展覧会に興味を持っている人口は多いが、若年層におけるその割合は低いと考察することができる。 しかし、そのような美術を愛好しない若者は、一般に展覧会で展示される、いわゆる芸術作品に対して抵抗を持っているだけではないか。古典技法による油彩画や、概念的な先端芸術など美術史の枠組みの中で評価を受けている美術に対し、難解な印象を持つ若者は少なくない。上述したような優れた美術作品は美術館や画廊などまで足を運ばなければ実際に鑑賞することはできない。美術に対し苦手意識を持つ人にとって、そうした施設は敷居が高く自ら赴き、作品を鑑賞することは難しい。では、美術に親しむことのない若者に、どのように働きかけることで、興味を持たせることができるのか。 そこで、本研究はストリート・アートとしてのグラフィティに注目した。身近に存在し、よりポップで自由な表現のできるアート作品から興味・関心の糸口を見つけようと考えた。だが、グラフィティは非合法的に描かれたものも多く、街の景観を損ね、秩序を乱す落書きというイメージを持っている人も多い。その一方で、これまでの美術史に存在しない新しい表現として認められてきている。ストリートの反社会的な落書きとしてではなく、新しい美術文化としてグラフィティを受容させることで、美術の多様性を伝え、苦手意識を持つ者から、悲観的な固定観念を取り払うことができると考えた。 本修了制作では、本来屋外の壁面に描かれているグラフィティを持ち運び可能な支持体に描き、美術館で展示しようと考えた。美術館に飾られた絵画作品としてグラフィティを鑑賞することで、純粋に芸術的な要素を受け入れられるのではないだろうか。このように、本作では芸術の多様性を主張する目的で、美術館で展示可能な絵画としてのグラフィティの表現を試みた。}, pages = {115--116}, title = {《Also Art》絵画表現の多様性の研究-グラフィティの制作を通して-}, year = {2017} }