@article{oai:sojo-u.repo.nii.ac.jp:00001262, author = {木下, 裕介}, issue = {10}, journal = {崇城大学芸術学部研究紀要}, month = {}, note = {修了制作《呼吸を忘れる、夢を見る。思い出だけが残る部屋。》及び制作論を通して、自身の制作における主題の考察・再構築を試みた。 以前より「記憶」という言葉を主題として作品を制作していたが、その用法は感覚的であり、明確なひとつの定義を持たせてはいなかった。実際、「記憶」という言葉は様々な分野の研究においてそれぞれ独自の定義・概念を持つが、芸術分野においては制作者それぞれの価値観や思想、嗜好などが作品に反映されるため明確な定義はできず、制作者自身がそれぞれその定義や概念について考察する必要がある。制作論ではこの問題を踏まえ、自身の制作における色彩・モティーフ・素材の観点より、これまで感覚的に主題として用いてきた「記憶」の定義・概念についての稿者自身の考えを述べ、主題の再構築について考察した。 第1章では他分野における「記憶」の例として、心理学における記憶の定義について述べ、自身が作品の主題として用いている「記憶」との違いを示した。 第2章では色彩について述べた。作品の大部分に使用してきた「白」という色彩について、その彩度に注目し、描かれたものを「薄れさせる」性質を持つ白という色彩と「記憶」の関わりについて考察した。 第3章では、作品のモティーフとして用いている「タトゥー」の歴史的背景やその意味合いが「記憶」と密接な関係にあることを取り上げた。 第4章では修了制作《呼吸を忘れる、夢を見る。思い出だけが残る部屋。》の制作過程、それに対する考察を行った。1節では修了制作の概要として作品のテーマやモティーフ設定の理由を説明し、2節では特に素材の観点より、モティーフ・色彩・マチエールなど描いたものを薄れさせる和紙の用法と「記憶」の関連性について考察した。 そして第5章では自身の制作の主題である「記憶」という言葉が、「薄れゆく」という点に重点を置いたものであることを明らかにし、芸術分野における主題やコンセプトの在り方、継続した作品制作とそれに対する考察の重要性についてまとめた。}, pages = {111--112}, title = {《呼吸を忘れる、夢を見る。思い出だけが残る部屋。》平面絵画における薄れゆく記憶の表現に関する一考察-主題の再構築を目的として-}, year = {2017} }